すすきのに現れた別世界への扉|札幌住みがゆるく見てまわる!札幌国際芸術祭2017の感想(5)

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すすきのにある北専プラザ佐野ビルに、異界への扉が現れています。
まあ異界というのはもちろん比喩ですが、自分だとなかなか行かないような空間だったので…。

すすきののあの辺あたり、昔高校生くらいの時は通っても何も思わなかったんですが大人になって歩いてみると結構パンチの聞いた看板が沢山並んでいることに気づきます。思いのほか昭和の猥雑感が残っていてちょっとしたタイムスリップ気分。

おそるおそる北専プラザ佐野ビルへ。まずは地下へ

すすきのの雑居ビル、そこの地下一階と5階が芸術祭の展示スペースとなっています。
そのビルの他の看板を見るとキャバクラ?スナック?とか全く縁の無いお店が並んで完全にアウェーの心持ち。そわそわしましたね。

まずは地下一階へ。そこには『札幌の三至宝』の展示があります。
以前紹介した札幌市資料館の『北海道の三至宝』に対してこちらはもっと地元に寄せた札幌の至宝が選抜されています。こちらは作品というよりどれも濃密な存在感を宿した場所がピックアップされています。

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まず一つ目は『レトロスペース坂会館別館』。
昭和最後の年に産まれた自分には知りえない昭和の空気がそこには漂っていました。個人的にはたばこのパッケージのデザインを眺めていくのが面白かったです。今でも十分通用しそうなのが沢山ありましたねー。

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二つ目は『大漁居酒屋てっちゃんサテライト』。
こちらの会場には写真家さんが撮影した店内の写真や店長の絵などが飾ってありますが、この『てっちゃん』はすすきのにある普通の居酒屋なので夜、飲みに行った方が面白いかもしれません。
僕も一度行ったことありますが物量からくる濃密な小宇宙です。第一印象としては今敏監督の『パプリカ』の夢の中のようなカオスさを体験できます。そしてひたすらに刺身の量が多い。食品は控えめの注文をおすすめします。

最後の三つ目は北海道秘宝館「春子」。
こちらは2010年に閉館となった秘宝館の蝋人形をセレクトしていますが、会場では秘宝館を取材したドキュメンタリー映像を上映していました。うん、こちらはコメントが難しいので気になる方は行ってみてください(笑)

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元キャバクラのピンク一色の空間で、DOMMUNE所蔵のインタビュー映像と作品を展示。
多分今後も訪れることのないお店だけに、興味津々で空間を眺めていました。一番奥の映像作品に使っていた仮面が夢に出そうです。

5階に広がるコンセプチュアルな作品群

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さて、くらくらするような地下階を抜けて、お次は5階へ。こちらにはアーティスト端聡による作品が展示されています。
文脈と思想に根付いた作品は鑑賞する側の知性や感度も試されている感じがします。それらの中では気体と液体が循環する作品は見た目にもとっつきやすく、コンセプトもわかりやすいかなぁと。

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気分は探検!AGS6・3ビル

続いて佐野ビルの近くにあるAGS6・3ビルへと移動です。
こちらはかつてユニフォームの製造をしていたビル全体を使った、堀尾寛太さんの作品が展示されています。

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ロープなどで連結されたオブジェクトが電子制御で連動して動きます。
荒廃したビルと相まって人がいなくなってもなお動き続ける工場のような雰囲気を醸しています。

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ふぅ…。すすきのエリアは量も多いし密度も高かったですね…。
なんとなくこのエリアは人間の営みの寄り添ったものが多かった気がします。

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