2017.01.22

読書感想:舞台は東北!健気でキュートな津軽弁ニューヒロイン『いとみち』三部作(越谷オサム)

”相馬いと。青森の高校に通う十六歳。人見知りを直すため、思い切ってはじめたアルバイトは、なんとメイドカフェ。津軽訛りのせいで挨拶も上手に言えず、ドジばかりのいとだったが、シングルマザーの幸子やお調子者の智美ら先輩に鍛えられ、少しずつ前進していく。なのに! メイドカフェに閉店の危機が――。初々しさ炸裂、誰もが応援したくなる最高にキュートなヒロインの登場です。”
(amazonの内容紹介から引用させていただきました)

不器用だけど一生懸命でキュートな主人公いとの高校三年間の成長譚!
近年読んだ青春小説では断トツにおすすめしたいシリーズ。笑って泣いて七転八倒した末に、清々しい読後感が待っています。
※以下気をつけますが若干ネタバレ含むかもなのです。

津軽弁×三味線×メイド!?

方言が強すぎることがコンプレックスで、祖母に叩き込まれ三味線堪能、そしてメイド喫茶でバイト中。キャラ盛り過ぎだろ!ってくらいに要素が詰め込まれた主人公のいとですが、実に健気でキュートなのです。

朝ドラのヒロインのような純朴さと不器用な頑張り、それを最初は疎ましく感じつつも次第にあたたかく見守る周囲の人たち。
それはお約束の展開かもしれませんが、僕にはそれもまた心地よく読めました。面白いものは面白く、すいすい読み進めながら、いとを応援している自分がいます。

引っ込み思案で自信のない自分を脱却するために、(メイド喫茶でのバイトへ)一歩踏み出す主人公いとをの高校生活をぜひ覗いてみてください。
10代のころの初々しさ、不安だらけでも瑞々しかったころを思い出せるはずです。

主人公の瑞々しい成長に笑い、涙し、励まされ、胸が熱くなります

いとみちは1巻で1年、いとの高校1年から卒業までの3年間を描きます。

初めは失敗ばかりのいとも、”津軽メイド珈琲店”の個性的ながらもあたたかいメンバーに支えられてゆっくりと成長していきます。
一歩踏み出した先で人と関わるなかで、自分のダメなところも良いところも(七転八倒しながら)見つめ直し前に進んでいくいとの姿は、読者に勇気をくれます。

2巻ではメイド喫茶から飛び出し、いとの学校生活も描かれます。
年頃らしく恋愛要素もあり、初々しさににやにやしっ放しです。初めての気持ちや友達との喧嘩に悩んだり、等身大の悩みに共感してしまいます。それにある人との別れも…。
それと個人的には三味線演奏シーンが大好きです。もちろん見せ場として好きというのもありますが普通に三味線がかっこいい!思わず作中に書かれている曲の演奏動画をYoutubeで検索してしまいました。

3巻ではついにいとも3年生になりました。いとっちの巣立ちが描かれます。
見守られる側だったいともメイド喫茶ではもうベテラン、後輩の指導にもあたらねばなりません。そしてもちろん受験に向けて将来についても考え始めます。
津軽メイド珈琲店の面々も時間とともに変わっていきます。受け継がれるもの、新しくなるもの、それでもそれぞれが一つの場所を大事に思う様子に嬉しくなります。大切に思える場所があるって良いですよね…。

ちっとも器用ではないけれど、今回も悩みながら自分の気持ちと向き合ういとの卒業に、ずっと見守ってきた読者としては涙腺を守るのが大変でした。

ド直球の青春モノなのでドラマ化とかアニメ化したら良いのに

ぜひ良い感じに映像化してほしい作品です。映画だったらウォーターボーイズとかスィングガールズみたいなテイストで、ドラマだったらあまちゃんみたいなテイストで(いとみちも東北だし)、アニメだったら氷菓とか花咲くいろはみたいなテイストでぜひ映像化を…!
越谷オサムさんの本は「陽だまりの彼女」なんかが映画化もされてるので無い話じゃないと思うんですけど…どうですかね。

メイド姿や三味線演奏シーンを違和感なく見るには、個人的にアニメ化が2クールが一番合ってる気がします。テンション高めのエンタメ性が高い原作なので、にぎやかにドタバタできる明るい映像化を希望してます。いつか実現したら良いなぁ…。

つい長々と書いてしまいました。
健気で楽しく元気をもらえる正統派青春小説「いとみち」、気持ち良く完結していますし気になる方はお手にとって損のない一冊だと思います。


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