火薬絵画と狼の群れ!横浜美術館で蔡國強展「帰去来」を観てきました

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7月から横浜美術館で開催されていた、現代美術家である蔡國強展を観てきました。
美術には(興味はあっても)そこまで明るくないんですが、ポスターなどに多用されている狼の群れ「壁撞き」をどうしても実際に観てみたくて会期ぎりぎりに横浜へ足を運びました。

蔡國強とは?

蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい こっきょう)は中国で生まれ、筑波大学の在学中に創作活動を開始したアーティスト。火薬を爆発させて作る絵画や独創的な花火、インスタレーションなど多様な作品を制作しています。
北京オリンピックで開会式・閉会式の視覚特効芸術監督を務めるなど現代美術のスーパースターのひとりだそうです。
Wikipedia 蔡國強

圧巻の”壁撞き”!

posts_photo(写真撮影不可だったのでパンフの写真で…)

ポスターのビジュアルでも心掴まれるものがありましたが、実物を前にするとその迫力に圧倒されました。
狼がとてもリアルで、本物の群れを一時停止してそのまま固めたかのうようです。走り、飛び、衝突する躍動感もすごかった。
作品の間を歩き回って見ることが出来るため、あらゆるアングルで見ることができ、とてもテンションが上がりました。あの作品、写真を撮れたらすごく楽しいと思います。

あと、これは個人的にタイムリーだっただけなんですが、つい先日に上橋菜穂子さんの「鹿の王」という狼ががっつり出てくる小説を読みまして。
「あぁ、狼の目線、群れに混じって走るってこんな感覚なんだな…」
なんていう疑似体験が出来たことにちょっと感動しました。いや、作品の本筋からかなり離れた感想なのはわかってるんですが、ここまでリアルな群れの内側に視線を置ける機会なんてそうそう無いので…。

壁撞きに関数る詳しい解説は下記公式よりどうぞ。
蔡國強展

火薬を用いた作品たち

「壁撞き」以外にも火薬を用いてキャンバスや磁器に着色、陰影をつけた大きな作品が展示されています。
作品単体でも火薬の爆発で着色された作品のパワーを感じますが、作品と一緒に展示されていた制作過程の映像を見たあとだと実際に爆発させているところを見てみたくなりますね。
今回トップ画像にも載せている『夜桜』は、なんとまさに展示してある現場である横浜美術館のロビーで火薬を爆発させたそうな。映像を見ましたが、一面に立ち込める粉塵は予想以上でした。

また日本で個展をやる際には、足を運んでみたいと思えるアーティストでした。

蔡國強 帰去来
蔡國強 帰去来
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