読書感想:千代に八千代に(大澄剛)

千代に八千代に (アクションコミックス)
千代に八千代に (アクションコミックス)

千代さんと先生は、付き合って3年。先生はいつも生真面目で口うるさくて…そんな所も含めて、千代さんは先生のことが大好きです。でもなぜか、先生がくれる誕生日プレゼントは毎年同じもので…。
国語をめぐる表題作をはじめ、数学・理科・英語…と教科を題材にしたジンワリ珠玉のよみきり7編を収録!
(amazonの内容紹介から引用させていただきました)

馴染みの本屋さんで平積みになっていたので手に取ってみた漫画「千代に八千代に」。
本屋好きとしては書店員さんが勧めているものへの期待値は自然と上がってしまいます。
それにしても、なんだか近ごろ連載ものよりも短編集に惹かれることが多いなぁ。
(九井諒子さんのひきだしにテラリウムとか)。
忙しくて1話で完結してくれる方が気楽だからかな…。もっと読書する時間が欲しいですね。

この漫画は国語、理科、数学、英語、家庭科の5つの教科をモチーフにした連作短編です。それぞれは独立した物語ですが、同じ町での出来事なので登場人物たちは繋がっています。登場人物も子どもから高校生、大人まで色々な視点を楽しめました。
…昔に比べて、大人側にもだいぶ共感出来るようになってきた自分に年齢を感じながら読みました(笑)

表題作の“千代に八千代に”は国語。
5つの中で一番ロマンチックなお話でした。不器用な気持ちの伝え方に思わずにやにやしてしまいます。主人公の千代さんも健気でかわいい。
大澄剛さんの漫画は初めて読みましたが表情の描き方がとても好みでした。僕はまだ読んでないですが、大澄さんは子役の漫画で有名な方らしいですねー。

個人的に、一番印象的だったのは英語の物語。
翻訳家さんが出て来るんですが、“I Love you”の訳し方のエピソードに心がきゅっとしました。自分だったらどう訳そうか…なんて考えちゃったり。

大事な人に伝えたいことは人それぞれ。自分なりの言葉で、相手に伝えられたらいいなと思います。

全編を通してほっこりと優しい気持ちになれる漫画です。
ぜひ!

千代に八千代に アクションコミックス
千代に八千代に アクションコミックス [Kindle版]