前回までは産前の準備を主に書いてきましたが、今回は出産当日について振り返ってみたいと思います。
出産で頑張るのは妻と子供ですが、夫にもそれなりにやる事がありました。
朝7:00くらい
その日はまだ出産予定日の一週間くらい前で育児休業に入る前でした。
普段通りに起床して朝ごはんを食べましたが、妻から「なんとなく陣痛かもしれない…?」という申告が。
出産は初めてなのでこれがいわゆる前駆陣痛なのか本番なのかよくわからなかったのでもうちょっと様子を見ることにしました。
なのでその日は普通に出勤しましたが、一応朝の時点で上司に「妻に陣痛らしきものがあったので、もしかしたら今日早退するかもしれません」と報告しておきました。
もともと育児休業に向けてタスク調整してたのもありますが、この日はたまたまローンチもなく途中で抜けても問題無さそうな日でラッキーでした。事前準備ほんと大事です。
この時点で妻は結構痛かったようで「これ前駆だったら嫌だなぁ…」と言いながら、体を揺らしたりして痛みを逃がすように過ごしていました。
11:00くらい
痛みが強くなって間隔も短くなってきたので病院に電話することに。
電話したら病院が近かったこともあり「3分間隔かそれ以上痛みが強くなってきたらまた電話して」と指示を受ける。多分病院まで遠かったら違ってた気がする。
ここで妻は一旦お風呂に入ることに。破水したら暫く入れないし、お風呂によって陣痛進むかもとのこと。
その間、僕は特にやる事ないので普通に仕事していました。
12:00くらい
温めたりするだけでぱっと食べれる昼食を用意して普通に食べる。
このとき妻はお腹は痛かったけど食欲はあったらしい。痛みの合間合間に食べていました。
食後、僕は仕事に戻り、妻は断続的に来る痛みをなんとか逃がしながら陣痛の間隔が短くなるのを待ちました。
14:15くらい
陣痛の間隔も4分置きくらいになってきたのでそろそろ病院に電話しようか…と思った矢先に破水が!(後に破水じゃなかったとわかるんですが、この時はそうとしか見えなかった)。
直ぐに病院に電話して事前登録しておいた陣痛タクシーに連絡。
平日の昼間だったせいか5分くらいで直ぐに到着して病院へ。
そのまま入院になる可能性が大きいので妻が事前に準備していた入院グッズを持っていきました。
(予定日2週間前くらいには入院を想定した荷物をまとめていつでも持ち出せるようにしておいた方が良さそうです)
ちなみに僕はタクシー呼んだあと、上司に「破水したので病院行ってきます」と連絡だけ入れました。
朝に早退するかもと言っておいて良かったです。
14:30くらい
病院に到着してからは歩いて産婦人科まで行って検査を受けます。
待ってる間そわそわします。
ここで実は破水ではなかったと判明したんですが、良い陣痛は来てるので入院することに。
LDRという個室に移動するんですがこの時点で、妻は痛みが来ている時は歩けないくらいの状態になっていました。なので休み休み病院の中を移動します。
この時はもう助産師さんが一緒なので妻が苦しそうでも非常に心強かったです。
ここから時間うろ覚えです
LDRに移動してからは助産師さんがテキパキと進めてくれました。
妻はもう脂汗かくレベルの痛みに耐えながら出産用のベッドに上がって横になっています。
助産師さんの「もう少し陣痛強くなると進むんだけどな~」の呟きに妻が「え?これ以上?」みたいな顔していました。だけど今思えばこの時はまだ多少余裕がありましたね。
そして準備が終わったら助産師さんは一度退出です。
僕は助産師さんが準備している間にペットボトルのお茶を2本買ってきたり、お互いの両親に現状報告したりと自分に出来る範囲のことをやります。
初めは痛みに耐える妻を見守っているだけでしたが、そのうち妻から要請を受けて腰をさすったりお茶を飲ませたりとサポートが必要になってきました。
ちなみにこの時、妻は痛みでほとんど喋れませんでした。ジェスチャーでの意思表示です。以心伝心度合いが試されます。
トイレに行くのがかなりの試練
しばらくして助産師さんが様子をチェックしに来た際に「一度トイレに行った方が進むから頑張って行こう!」とのお達しが。
トイレは同じ部屋内にあるのでベッドから2mくらいの距離なんですが、もうベッドから降りるのも歩くのも困難なようでした。僕にその辛さは想像出来ませんが傍から見てる分には「全身筋肉痛かつ40度の熱が出てるときに歩け」って言われたらこんな感じになる気がします。
しかもこの時、赤ちゃんの心拍やお腹の張りを調べるセンサーつけてるので身ひとつで動けばいいってわけじゃないのがまた…。点滴パックを連れて歩くみたいにしなきゃいけないので、それもしんどそうでした。
一気に全開に
その後しばらくはまた痛みに耐える時間です。
僕は助産師さんがやってたマッサージを黙々と真似していました。
事前に読んだ本やネット記事なんかでは、痛みに耐えかねた奥さんに八つ当たりの罵詈雑言を食らったって情報があったので僕も罵倒されるんじゃないかと身構えてましたが、うちの妻はそういう理性は最後まで残っていたようです。特に何も言われませんでした。
そして「センサーがずれてるよー」と助産師さんが見に来た時に子宮口を確認したら「あら!全開ですね。出産準備始めますね」と。急展開です。
さくさくと出産準備を始めてベッド周辺が慌ただしくなったので僕は邪魔にならない位置に移動して見守りモードです。
お産の態勢が整ったら僕は妻の頭側のすぐ横に立って、給水と手を握る係に。
妻が飲みたそうにしたらペットボトルを差し出し、片手は常に手を握って痛みに耐える妻に「頑張れ」と念を送ります。
僕に出来るのはそれくらいでした。
ちょっと面白かったのが助産師さんや産科医さんに「初産なのに冷静だねー」と何回も言われていたところ。指示を的確に実践してたかららしい。
その時は痛みで喋れなかった妻ですが後で聞いた話では本人も「そうか、これは冷静なほうなのか…」と頭で思うくらいには落ち着いていたらしいです。
こんにちは赤ちゃん
エンジニア的にはHello World!と言う方が良いでしょうか。
産科スタッフの皆さんの迅速な手際と、痛みに耐えつつも冷静に指示を実践する妻の甲斐があって、かなりスムーズな出産になりました。
頭が出た時点で赤ちゃんから「ふにゃぁ」と泣き声があがり、手足を元気にじたばたさせながらもするっと産まれて来てくれました。
無事産まれたら妻に感謝と労いの言葉、それとのどが渇いているので飲み物を差し出します。母子ともに無事で本当に安心しました。
こうして傍で一部始終を見ていましたが立ち会って良かったです。
どれだけ妻が頑張ったかがわかるし、その時間を共有出来たことはこれからの夫婦関係にとって紛れもない財産になると思います。
病院に来てから約3時間というスピード出産(陣痛が始まってからは約11時間くらいですが)になりました。
先ほどの「冷静」に加えてここでは産科医さんから「経産婦かと思った」とのお言葉も頂きました。
その後
産後にも傷口の縫合があったり胎盤の処理があったりカンガルーケアをしたりとまだ少し慌ただしくお産は続きます。
無事産まれてからは僕も気が抜けてちょっと休憩しつつ、両親への報告をしたり、助産師さんの許可をとって産まれたばかりの我が子を写真に収めたりしました。
その後、赤ちゃんは体温が下がってたので保温のため一旦別室へ。
その際ちょうど夕食どきで、妻も「食べれます。お腹すきました」とのことだったので一緒に夕食を食べることに。
妻は病院食、僕はコンビニで買ってきたおにぎりを頬張ります。つかの間の二人きりの時間に、お産の感想なんかを話しました。
スピーディーな出産だったからか妻が思ったよりも元気で心からほっとしましたね。
そのうちに赤ちゃんが戻ってきて、連絡を入れたお互いの両親が来て、わいわいと写真撮ったりなんやかんやしてるうちに21時過ぎに。
面会時間も終わり、妻と子供はLDRから通常の産科の病室に移動することに。
僕の付き添いもそこまで。その日は一人で帰路につきました。
激動の一日で気が昂っていたせいか、部屋にひとりで居るのは何だか寂しいようなつまらないような複雑な気持ちに。
賑やかな日々が始まる前のつかの間訪れた静かな夜でした。
……とまあ出産当日の流れはこんな感じでした!
だいぶスムーズなお産だったと思うのでどれだけ参考になるかわかりませんが、これから出産を迎えるご夫婦の参考に少しでもなればと思います。