先日行ってきた長崎旅行で、以前から妻が「行きたい!」と言っていた波佐見町に行ってきました!
今回はお店や陶工を訪れて触れた波佐見町の魅力を書いていこうと思います。
波佐見町ってどんな町?
長崎県全体のほぼ真ん中に位置している陶芸の里です。
約400年の伝統があり、全国で日常的に使われている食器の約13%はこの町で生産されているそうです。町の北側ではあの”有田焼”で有名な有田町と隣接しており、あの辺りの山一帯が陶芸の聖地のようでした。
実際、町なかにはそこかしこに焼き物屋さんがあって覗いて見て回るのがとても楽しかったです。陶房の直売所だったり、品揃えに個性があったりと飽きません。
波佐見町への行き方
僕らが行った際は、長崎空港からバスに乗って川棚バスセンターへ。
川棚バスセンターでタクシーを拾って波佐見町の観光センターまで行きました。
たぶんレンタカーを借りれば一番楽なんでしょうけど、運転はあまり得意じゃないので安全な乗り継ぎで行きました…。
モダンなリノベーション空間・西の原
また”西の原”という観光スポットでは元製陶所を改装したカフェやショップが立ち並び、とてもお洒落な空間が出来上がっています。お昼ご飯はmonne legui mooksというカフェレストランで食べるのがお勧めです。
内装のお洒落さはもちろん、店員さんと仲のいい常連さんとのちょっとした会話や雰囲気が、やさしい空間を作り上げていました。
暮らしの器!毎日使いたい波佐見焼
波佐見焼は前述の通り、約400年前の江戸時代から波佐見町で作られてきました。
町の観光センターで紹介されていた話によると、一昔前までは波佐見町で作られた陶器もお隣の有田町で作られた陶器と一緒くたにして”有田焼”として出荷されていたそうです。
しかし、産地表示の厳格化や町ごとのブランドを打ち出そうという流れから波佐見町で作られたものは”波佐見焼”として売り出すことになったそうです。
もうひとつ面白いなと思ったのは、波佐見焼も最初は趣向を凝らした絵付けなどが施され高級品として作られてそうです。
今のような日常使いのシンプルな食器になっていった理由が、
時代の流れと共に陶器の需要が増え、
それにしたがって職人さんが忙しくなり、
どんどん忙しくなり、
「そんな凝った事やってられるか!」という状況になり、
徐々にシンプルになっていったらしいです。
展示品に描かれていた職人さんの解説イラストみたいなのがいい味出してました。
そういった年月に磨かれて、今の時代にマッチしたシンプルでモダンな食器が出来上がったのかと思うと歴史の不思議を感じます。いつ何がプラスになるのか本当にわからないですね。
ちなみに波佐見町に来たからにはもちろん食器をいくつか買って帰りましたよ。
母の日 ギフト 波佐見焼食器 藍丸紋 軽量お好み丼揃え3PC 13305 西海陶器 |
波佐見焼 白山陶器 湯のみ猪口 + 陶茶托 (黒炭釉) |
Sabato コーヒーカップ&ソーサー coffee cup & saucer 波佐見焼 (CASA [カーサ, 家]) |
人のあたたかさ半端ない。中尾山と鬼木棚田
最後にお伝えしたいことは、波佐見町の人たちのあたたかさです!
ただの旅行者だった僕らですが、少しだけ町の方と交流する機会がありました。その際、思いのほか人のあたたかさに触れて感動したのでそのエピソードをご紹介しようと思います。
僕らは今回、レンタカーなどは借りずにバスで移動したんですが、それだとあまり広い範囲は回れません。
(車の運転はあまり好きじゃなくてやめました…)
なので西の原や町中のお店を中心に徒歩で回れる範囲でのんびり観光しようと思っていました。
出来れば他にも足を伸ばせれば行ってみたい場所はあったんですが、そこは泣く泣く諦めるつもりだったんです。
ところが、とあるお店で店員さんと少しお話ししたところ、なんと行ってみたかった工房が密集した地区である陶郷”中尾山”であるまで車で送ってくれることに!予想だにしなかった申し出に恐縮しながらも甘えさせてもらうことにしました。
さらに、中尾山に行く途中に”鬼木棚田”という日本の棚田百選にも選ばれた美しい棚田を見渡せる場所にも連れて行ってもらいました。
「せっかくだから見て行ったらいいよ!」と明るく連れて行ってくれた店員さんには感謝しかありません。
棚田はちょうど稲穂の収穫時期で、日本的な美しい景色に妻と二人で感嘆のため息をつきました。きれいだったなぁ。
ただ、たまたま開催されていたかかし祭りはちょっと怖かったです。
あれ夜見たらホラー以外の何物でもない。
中尾山に着いたら親切な店員さんにお礼と別れを告げ、郷の坂道の上にある交流館を訪れました。
そこから坂道を下りながら、いくつかの工房を巡り素敵な器を見て回りました。
ちょっと不思議だったのが、店を訪れると皆さん「良かったらどうぞ」とお茶を勧められることです。工房の習慣なんでしょうか。なんだか知り合いの家を訪ねたような距離感で、ほっとするようなこそばゆい気持ちになりました。
工房で器を買った後は、さすがにタクシーを呼んで町中まで戻ろうと思っていました。
しかし工房のご主人に「大雨だけど、どうやって帰るつもりなの?」と聞かれて、タクシーで…と話したところ「乗せてってあげるよ!」とまたしても町中まで送っていただけることに…!
なんかもう本当に有難かったんですけど、こう何度もお世話になると申し訳ない気持ちも湧いてきます。
ご主人に、中尾山に来る時も送っていただいたことを話すと”車で送る”のは割と良くあることだそうで「都会の人だと警戒して頑なに断る人も結構いるんだけどね〜」とのこと。
まあ確かに東京の繁華街なんかで「車で送る」とか言われても絶対に乗りませんが、波佐見町ではそこまで警戒する気持ちにはなれませんでした。
だって皆さんすごく自然体で、人懐っこい雰囲気の方々なんですもの。
(まあ、もっと合理的な理由的にもこの店の人っていう身元がはっきりしてる状態で何かが起こるほど日本の治安は悪くないとも思いますしね)
なんのツテもなくふらっと訪れた波佐見町でしたが、思いがけずあたたかな交流を持てて充実した旅になりました。
みなさんも長崎を訪れた際には、ちょっと足を伸ばしてぜひ波佐見町を訪れてみてください!
では、今回はこの辺で。
東屋 / 印判豆皿ひまわり・ひょうたん・木瓜(もっこう)扇・梅・たんぽぽ製造:白岳窯(長崎県波佐見町)お漬物やおつまみ入れに